Weapons cheat – Chapter 4.5

Several days before Kazuya arrives at the Imperial Capital.

かつて、14万〜17万トンに及ぶ各種爆弾を日本に投下し日本全土を焼け野原へと変えた機体が異世界の空を悠然と飛んでいた。

The plane was a B-29 bomber, a strategic bomber also known as a『Super-fortress』

「Even so, it seems like a lot of trouble captain」

「What is it Lieutenant Commander Rumei?」

The B-29 had very powerful engines at 2,200 horsepower for a total of four engines.

カーチス・ルメイ少佐が誰に言うでもなくポツリと呟くと一緒に休憩を取っていた部下が律儀にも返事する。

「いや、総隊長に付いている親衛隊の連中が定期連絡の時にこっそり教えてくれたんだが、道中に遭遇したカナリア王国のお姫様に総隊長がなつかれたらしくてな。あぁ、そうそう。それにこの作戦も表向きは総隊長のレベルを上げて兵力増強を目的としているとなっているが、本当はそのお姫様の助けになるからやるらしい」

「へぇ〜そうなんですか?でも、総隊長もなんで本当のことを言わなかったんでしょうか?総隊長の命令なら我々はなんであろうと実行しますのにね」

「まぁ、いろいろあるんだろう総隊長にも」

「ですかね」

「あぁ、それともうひとつ面白い話があった」

「なんですか?」

「さっき言ったカナリア王国のお姫様が総隊長の側にずっとくっついているせいで千歳中佐とそのお姫様の間で修羅場が時々発生するんだと」

「あぁ、それは大変ですね」

「そうだろ?」

「えぇ」

「「千歳中佐の相手が」」

ルメイ少佐達はそう言ってお互いの顔を見合わせると笑いだす。

「クククッ、千歳中佐は我々の中でも最上位に入る総隊長の信奉者ですからね。ちゃんと総隊長が千歳中佐のアフターケアをしないとそのお姫様刺されるんじゃないですか?」

「そうだな、まぁ総隊長がうまいこと千歳中佐を制御してお姫様が千歳中佐に刺されないことを祈っておこう」

「そうですね」

そうしてルメイ少佐が笑いながら喋っていると機内においてあるスピーカーから機長の声が流れてきた。

「目標空域まで残り15分、各員所定の配置につけ」

それを聞きルメイ少佐は部下と別れた。

そして改造が施され、爆弾ではなく通信機材や電子機材、増設された燃料タンクなどがぎっしりと詰め込まれている機内を移動し配置につくと無線機を手に取り各飛行編隊に命令を下し出し始める。

ちなみに今回の空爆作戦にはB-29が35機とそれらを守る護衛機のP-51が20機の合計55機が投入される事になっている。

なお本作戦を行うにあたり護衛機を含め全機が爆装している。(例外としてB-29が5機、爆弾倉の改造を加えられており1機が通信機材や電子機器、増設された燃料タンクを積み込んだ空中管制機型。残りの4機がボフォース40mm連装機関砲を1基2門と九一式十糎榴弾砲を1門、機首から見て左に砲身をせりだしながらも無理やりに積み込んだ地上支援機型となっており爆装はしていない)

またB-29は3つの編隊に別れており各編隊の任務別に多種多様な爆弾を搭載している。(九七式六番陸用爆弾(60キロ爆弾)・九八式二五番陸用爆弾(250キロ爆弾)・八〇番陸用爆弾(800キロ爆弾)・E46集束焼夷弾・トールボーイなどなど)

その他にも護衛機のP-51はロケット弾か三号爆弾のどちらかを積んで爆装している。

今回の目標である魔物の異常繁殖地は2ヶ所あり、それぞれ前哨基地から800キロ離れた山中と290キロ離れた森の中という情報で、800キロ離れた第一目標には航空機を用いた空爆を290キロ離れた第二目標には改良され命中精度や破壊力が向上したV2改での攻撃が加えられることになっていた。

空爆作戦はこうだ。まず護衛のP-51を引き連れE46集束焼夷弾を最大爆弾搭載量の9100キロまで満載したB-29が第一目標の山を囲むように周辺へE46集束焼夷弾をばらまき森を焼いて魔物を山へ誘導。

次に小型〜中型爆弾を大量に搭載した機体が逃げ場を失って山に集まっているであろう魔物に対し絨毯爆撃を行う。

最後に山にある洞窟等の地下にも魔物がいる可能性があるので大型爆弾のトールボーイを投下し地下をも焼き払う。

また撃ち漏らした魔物はB-29の地上支援機型が対応するという4段階の作戦になっている。

なお、事前に行われた二式大艇による威力偵察では飛行タイプの魔物による迎撃が確認されているため、それに対してはP-51搭載の三号爆弾や空中炸裂型ロケット弾にて対処する予定となっている。

「空中管制機より各機、目標空域に到達。各編隊は作戦内容に従い行動を開始せよ」

ルメイ少佐の命令が下されると第一編隊のB-29は高度1500メートルまで降下し爆撃倉を開く。

開かれた爆撃倉の中にはE46集束焼夷弾が、ズラリと並んでおり投下されるのを今か今かと待っていた。

しかし、爆撃が始まる直前護衛機のP-51から全機に通信が送られた。

『こちら第2護衛飛行小隊1番機、低高度にて敵を確認、迎撃を開始する』

警告の通信を終えるや否や次々と護衛のP-51が急降下を始める。

P-51は急降下の運動エネルギーをスピードに変えグングンと速度を増していき、地上から次々と空に舞い上がってくるドラゴンをはじめとした魔物の群れに接近した。

「よーそろう!!」

空中でしっかりと編隊を組んだまま第2護衛飛行小隊のP-51が魔物と距離を詰めた瞬間。

機体下部のハードポイントに搭載していた2発の三号爆弾をポロっと切り離す。

「このまま下方に抜けるぞ!!」

『『『了解』』』

そしてそのまま両翼の計6丁のM2重機関銃から発射される弾丸のシャワーを魔物に浴びせかけながら魔物の隙間をすり抜ける。

魔物が擦れ違ったP-51を追いかけようと向きを変えようと振り返った瞬間、三号爆弾の遅延信管が作動し炸裂。

三号爆弾の内部に内蔵されている多数の弾子――子爆弾が爆弾内部より射出された。

弾子は燃焼しつつ広範囲に飛散し多くの魔物に命中すると焼夷効果を発揮、羽や翼を焼かれた魔物は羽ばたく事が出来ずきりもみ状態に陥り地上に向かって落下して行った。

羽や翼が無事だった幸運な個体も居たことは居たが、そのいずれも体のどこかに大小無数の火傷を負っていたため戦闘不能になり地上に降りるしかなかった。

「敵、更に来ます!!」

P-51の先制攻撃により多くの魔物を殺傷したが地上からはまだ続々と魔物達が空へ舞い上がって来る。

そのため低高度ではP-51がB-29の爆撃進路を守るため次々と空に舞い上がってくる魔物達とドッグファイトを繰り広げていた。

そのお陰かB-29は魔物の攻撃を受けることなく悠々と爆撃コースに入り、爆撃倉から少しずつE46集束焼夷弾を地上へ向け落とし始める。

B-29から投下されたE46集束焼夷弾は高度700メートル程で分離し、内蔵されている38発の直径8センチ・全長50センチ・重量2.4キロのM69焼夷弾を空にぶちまけた。

M69焼夷弾には貫通力を高めるための姿勢を垂直に保つ目的のリボンが取り付けられていたが、上空でE46集束焼夷弾との分離時に使用された火薬によってこのリボンに着火し燃えていたため、地上からはまるで火の雨が降っているかのよう見えていた。

解き放たれたM69焼夷弾は空にいた魔物や地上にいる魔物に一斉に降り注ぎ、魔物達の体や地上に突き刺さると中に入っている薬品を辺りに撒き散らし、魔物の体や森をゴウゴウと燃やし始める。

火がつき燃え始めた森の中では大量に蠢いている魔物達が炎から遠ざかろうと背後にある山に向かって走り出す。

だが逃げ始めた魔物を逃さないように山を中心に円を描くようにB-29は爆撃進路を変えて爆撃を継続する。

空中では運悪くM69焼夷弾が体に当たったり、突き刺さった魔物がモロに薬品を被り火だるまになりながら地上へ落ちて行く。

当初の想定どうり眼下で発生し始めた阿鼻叫喚を尻目に、第1編隊のB-29は目標の山を囲むように数万〜数十万発ものE46集束焼夷弾を撒き終えた。

そこで目標上空から退避しようとした時だった。

上部機銃座にいた兵士が叫ぶ。

「上空に敵!!突っ込んでくる!!」

いつのまにか第1編隊の上空にはP-51の機関銃の攻撃受けたと思われる血塗れのドラゴンがいたのだが、上部機銃座にいた兵士がその存在に気が付いた時には既にドラゴンは急降下に入っていた。

慌てて各機体から搭載されている機関銃の火線が張られるが時既に遅し。

幾つかの弾がドラゴンの体に命中するも、ドラゴンはそのまま編隊の一番端を飛んでいた機体の右翼に体当たりを敢行した。

「第一編隊右翼側三番機被弾!!墜ちます!!」

誰かの被害を知らせる声がマイクを通して機内に響き渡る。

狙われた機体はドラゴンの体当たり攻撃を受けた右翼が根元からポッキリと折れすぐに操縦不能に陥りグルグルと回転しながら地上に落ちて行く。

無線機からは墜ちていくB-29の搭乗員の断末魔が響き渡っていたが機体が地面に叩きつけられ炎上、爆発するとその声も聞こえなくなった。

「チィ!!全方位警戒を厳にしろ!!」

ルメイ少佐はこれ以上の被害を出さないため各機に命令を出したが、これ以降作戦中に被害が出るような敵の攻撃はなかった。

「……機体から脱出した者を見たものは?」

「……いません。あのように回転して墜ちていったのでは遠心力のせいで機内から脱出する暇もないかと。それに……。地上は魔物だらけです。パラシュートで脱出できても生きているのは不可能かと」

「……そうだな」

その後、後続の編隊が目標空域に到達して作戦通り山に逃げ場を求めて集まって来ていた魔物の大群を爆撃し、吹き飛ばした。

地上では次々と投下される爆弾が炸裂し魔物は肉片も残さず吹き飛び地下に逃げ込んだ魔物も投下される八〇番陸用爆弾(800キロ爆弾)やトールボーイの至近弾、直撃弾を受け地面もろとも木っ端微塵にされた。

撃ち漏らした魔物も上空をグルグルと旋回する地上支援機型に捕捉され40mm連装機関砲や九一式十糎榴弾砲の集中砲火を浴びるか空中戦を終えて弾薬が残っていたP-51の機銃掃射を浴びせられ次々と殺されていた。

「任務完了だな」

作戦が終了し、各機体に搭載されていた爆弾や砲弾が無くなると空爆部隊は基地に帰投することになった。

眼下には合計数十万発もの爆弾や砲弾が撃ち込まれ草木一本残さず焼け野原になった山があった。

ほんの数時間前までは青々とした木々が生い茂り無数の魔物達が暮らしていた山の面影はもはやなく、今となっては我々の爆撃により至るところから黒煙を吹き上げ、大量の魔物の骸を晒す山となっていた。

「こちら空中管制機より司令部へ。空爆作戦は成功。戦果大なり。されど撃ち漏らし多数確認。第二次攻撃の要あり。これより帰投する。なお本作戦にて被撃墜1機あり。以上。」

地上の惨状を尻目にルメイ少佐は司令部に連絡を取った後、残存機54機で編隊を組み進路を前哨基地に向け帰投した。